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松岡 伸吾*; 池添 康正
J.Phys.Chem., 92(5), p.1126 - 1133, 1988/05
窒素-酸素-アルカン混合気体中で進行するイオン-分子反応を、大気圧イオン化時間分解型質量分析計を用いて調べた。反応条件は大気圧下、236-569Kである。Oイオンはアルカンと非解離型および解離型荷電移動反応をする。炭素数4以上のアルカンイオン(cnH)は高温で熱分解する。その他、NOOイオンNOイオンのアルカン類との反応速度定数など、24種のイオン-分子反応の速度定数を測定した。
千原 順三
J.Phys.,C, 20, p.753 - 763, 1987/00
液体金属(または高密度プラズマ)中に混入した原子の電子構造と、それを取り囲むイオンや電子の配列とは、互いに依存し合っている。従って混入原子のエネルギー準位を定めるには、従来の原子構造の計算と液体の構造を定める2つの問題を組み合わせて解かねばならず、まだ確立した方法がない。そこで密度汎関数法を用いて、これらを統一して扱える方法を提起し、液体金属水素中のネオン(プラズマ診断に用いられる)ライマン-アルファ・連続スピクトルの端の密度・温度による変化を計算した。
千原 順三
J.Phys.,F, 17, p.295 - 304, 1987/00
液体金属をイオンと電子からなる2成分系として扱い、X線散乱強度を構造因子を用いて表わした。構造因子は動的および静的な直接相関関数で正確に表現されている。金属と非金属によるX線散乱の違いは、原子構造因子とユンプトン散乱因子の2つに現われることを示した。金属中の電子・電子構造因子は、1部はCoherent散乱を与え、他の1部はIncoherent散乱を与え、単純な金属では、Jelliumモデルでの電子相関になることを示した。またこの構造因子がすべてCoherent散乱に含まれていると扱っていると実験家の誤りを指摘した。
千原 順三
J.Phys.,C, 19, p.1665 - 1677, 1986/00
液体金属中のイオン間実効ポテンシャルを汎関数密度法により、電子-電子、電子-イオンの直接相関関数(DCF)を用いて記述される公式を導いた。この関数を用いることで、電子の交換相関効果にたいするイオンの影響・イオンのまわりの集まる電子にたいする非線型効果が取り入れられている。このようにして従来の擬ポテンシャル法では扱えなかったこの2つの効果が含まれるようになった。この公式を液体金属水素に適用した結果は、この2つの効果のために、従来の実効ポテンシャルとは非常に異なることが示された。
春名 勝次*; 前田 裕司; 大橋 一利*; 小池 卓郎*
J.Phys.,C, 19, p.5149 - 5154, 1986/00
GaP結晶の格子定数による熱膨張係数を4.2~300kの温度領域でX線によるBond法で精密に測定した。III-V族結晶は負の膨張係数を持つことが知られているが、GaP結晶では現象論的理論に従うと負の膨張を持たないことが予測されていた。しかし、精度の良い測定を行なった結果、他のIII-V族結晶と同様負の膨張係数を持つことがわかった。グリュンナイゼン係数を求めると、50k以下で負の値を持つ。これらの結果は、III-V族結晶は負の膨張係数を持つことが一般的であると示唆している。
荒殿 保幸; 中島 幹雄; 佐伯 正克; 立川 圓造
J.Phys.Chem., 90(8), p.1528 - 1530, 1986/00
原子炉照射フッ化リチウム単結晶中でのOT基の形成とその分光学的な性質を検討した。照射後650Cで熱アニーリングすると3578cmと2225cmに鋭い吸収ピークが表れた。それぞれのピークの放射線(Co)分解挙動及び、熱アニーリング挙動が一致することから、OH基、OT基に帰属されるピークであることを推定するとともに、同位体シフト値が理論値と比較的良く一致することからOT基の形成を確認した。さらに実測波数から分光学的なパラメータを計算しOT基の解離エネルギーは約5eVであることを示した。
K.W.Lee*; 伊藤 芳明*; 藤谷 善照*; 宮崎 哲郎*; 苗木 賢二*; 荒殿 保幸*; 佐伯 正克; 立川 圓造
J.Phys.Chem., 90, p.5343 - 5347, 1986/00
11~77Kにおいて、Ar(Kr又はXe)-CH-CD混合固体中での反跳トリチウム原子の反応を調べた。水素(HT+DT)の相対収率はエタン濃度の減少とともに増加したが、エタン(CHT+CDT)の収率は前者を補償するように減少した。この結果は水素がホット及び熱反応の両方で生成しているのに対し、エタンはホット反応のみで生じていることを示している。熱化したトリチウム原子は11~20Kにおいても量子力学的にトンネル効果によりエタンから水素を引抜くことが分った。さらに、CHとCDからのH/D引抜き反応の同位体効果を11~20Kと77Kで比較するとともに、ホットトリチウム原子の希ガス固体中での衝突当りの平均エネルギー損失の評価を行った。
千原 順三
J.Phys.,C, 18, p.3103 - 3118, 1985/00
液体金属・プラズマを原子核と電子からなる2成分系として扱い、相互作用を持たないイオン・電子混合系を基準系にとることにより、これらの系の熱力学的ポテンシャルを作った。これを基に、密度汎関数の方法を用いて相関にたいする積分方程式を導いた。これらの系をイオン・電子の2成分系として扱うとき入力データとして必要になるイオンの平均電荷・イオン電子間の相互作用を定める式を、この方程式は与える。またこの式に現われるイオン電子直接相関関数は、Dagens達の与えた非線型効果を入れた擬ポテンシャルと等しくなることを示した。さらに近似を加えることにより、この式から従来プラズマで用いられているさまざまの式が導かれることを示した。またプラズマの平均電離度を与える従来の理論の適用限界を示した。
桜井 勉; 日夏 幸雄; 高橋 昭; 藤沢 銀治
J.Phys.Chem., 89(10), p.1892 - 1896, 1985/00
再処理プロセスで複雑な挙動を示すルテニウムは、気相には四酸化ルテニウム(RuO)として現われる。PuOに接触すると、多くの物質は黒い析出物で覆われる。従来、この現象は不安定はRuOが固体表面で分解し、黒色の二酸化ルテニウム(RuO)が生成するため、と考えられていた。しかし、X線回折、ESCA等を用いて詳細に検討した結果、分解ではなく、RuOが特殊な構造をとって吸着する現象である、との結論に達した。
加瀬 昌之*; 菊地 昭*; 柳下 明*; 中井 洋太
J.Phys.,B, 17(4), p.671 - 677, 1984/00
0.3~3.0MeVのエネルギー領域でNeのHe,Ne,Arなどの希ガス中での一電子及び二電子捕獲断面積の測定を行った。そして、一電子捕獲断面積については、Ra-ppとFrancisの理論の比較を行った。ターゲットが、Heの場合は、実験と理論は断面積の極大値のエネルギーがずれており、Neの場合は約3倍(理論の方が小)のくいちがいがみられ、Arの場合は全く合わないことが分った。
千原 順三
J.Phys.,C, 17, p.1633 - 1642, 1984/00
古典液体では明確に定義されている直接相関関数(DCF)は、量子液体においては明確でない。MarchやEvans,その他の人々によってDCFの定義が提唱されているが、古典液体と量子液体から構成されている液体金属に、それらを適用すると正しい記述を与えない。ここで、熱力学的な議論からDCFの一般的な定義を導いた。このDCFを用いて非均質液体を記述するWLMB方程式を量子液体にも適用できるように拡張した。量子液体の状態方程式もこのDCFで表現できることを示した。また、従来の液体金属における電気抵抗、イオン間ポテンシャルの公式は線型近似を用いているが、このDCFを用いることで非線型効果を取り入れられることを示した。
山岸 滋; 高橋 良寿; 柴 是行
J.Phys.,E, 17, p.339 - 341, 1984/00
水銀ピクノメトリーにより粒状試料の微小体積を精度よく測定するために、特殊比重びんを考案し、ガラスで製作した。その比重びんは、細い入口が唯一つあるだけで、通常の比重びんを用いた測定における主要な原因であるテーパージョイント部を持っていない。加えて、その細い入口における水銀面の位置を正確に測定し、基準位置からのずれに対する水銀量の補正を行った。この二つの改良により、体積測定誤差は、0.0001cmとなった。
貴家 恒男; 河西 俊一; 武久 正昭
J.Phys.Chem., 88(15), p.3326 - 3329, 1984/00
700MPaまでの高圧下でビニルモノマーの誘電特性を測定した。基をもつビニルモノマーの誘電率'は200~300MPa附近で急激に増大した。この圧力は圧力~体積(P-V)関係に不連続を与える圧力に対応し、これまで報告した高圧下では平面構造を有するビニルモノマーは短距離に配列するという考えを支持する結果を得た。圧力~'に不連続性を与える圧力はモノマーの化学構造により変化し、基とビニル基との位置関係と密接に関連する。
佐伯 正克; 立川 圓造; 宮崎 哲郎*; 藤谷 善照*; 笛木 賢二*
J.Phys.Chem., 88(14), p.3108 - 3110, 1984/00
L-Fを添加したn-CDを中性子照射して作ったトリチウム化デカン(n-CDT)の77Kにおける放射線分解を調べ、T原子とD原子の同位体効果について検討した。ガスクロマトグラフィーにより、同位体組成の異る5つの水素分子(H、HD、D、HT及びDT)の生成量を測定した。HT/DT比はHD/D比に比べて非常に小さかった。77Kでは放射線分解により生ずるD原子は、系内に微量存在するn-CHから選択的に水素引抜き反応を行いHDを与えることが分かっている。従って、放射線分解で生じたT原子はD原子に比べかなり小さな選択性しか示さなかったことになる。この原因を固体デカン中でのD原子とT原子の質量差に起因する現象として考察した。
池添 康正; 小貫 薫; 清水 三郎; 佐藤 章一; 松岡 伸吾*; 中村 洋根*
J.Phys.Chem., 88(24), p.5945 - 5948, 1984/00
1気圧CO-CO(0.97%)-O(0.11%)中で、(O(CO))(CO)+(CO)の形をしたクラスターイオンが生成することを、時間分解型大気圧イオン化質量分析計(T RAPI)によって明らかにした。このイオンはO+(CO)+2CO(O(CO))(CO)、(CO)+(CO)+O(O(CO))(CO)などの遅い発熱反応によって生成している。さらにこのイオンは、COとOに対して低い反応性(~10cmS)を持っていること、プロパンに対しては高い反応性(~10cmS)を持っていることを明らかにした。
有澤 孝; 丸山 庸一郎; 鈴木 庸氏; 成瀬 雄二
J.Phys.,D, 16, p.2415 - 2424, 1983/00
抄録なし
荒殿 保幸; 立川 圓造; 宮崎 哲郎*; 長屋 重夫*; 藤谷 義照*; 笛木 賢二*
J.Phys.Chem., 87(7), p.1201 - 1204, 1983/00
77K固体Xe-CH-CD系での反跳トリチウム原子による水素引抜き反応を調べた。水素引抜反応の同位体効果の値は(CH+CD)が10モル%以上では約1.4であるのに対し10モル%以下では次第に増加し0.2モル%では3.5~6となる。この値はガス相でのホットトリチウム原子による水素引抜反応の同位体効果の値1.3にくらべきわめて大きい。放射線分解により生成するH,D原子の場合との比較から、この結果は熱トリチウム原子によるトンネル効果に帰因することを示した。
有澤 孝; 加藤 政明; 丸山 庸一郎; 柴 是行
J.Phys.,B, 15, p.1671 - 1682, 1982/00
炭酸ガスレーザーの発振波長に吸収帯を有するジクロロフルオロメタンを利用して多光子解離による水素の同位体分離を行った。その結果、解離特性や同位体分離特性に与える処理圧力の影響、レーザー出力密度の影響および本分子に含まれる塩素同位体の影響などが得られた。またレーザー出力が解離速度に対してしきい値を有することや処理圧力に対する分離係数の低下などについては、軽水素分子、重水素分子おのおのについて得られた2種類のレート方程式群を解くことにより理論的な裏付けを行うことができた。なお分離係数は解離生成物ばかりでなく残留分子中の同位体比からも求め、その解離特性を解明することができた。
有澤 孝; 鈴木 庸氏; 丸山 庸一郎; 柴 是行
J.Phys.,D, 15, p.1955 - 1962, 1982/00
原子法による同位体分離においては選択的に光電離イオンが回収される。このときイオンが生成時の状態でそのまま回収されるとは限らない。すなわち、光電離された着目イオン種は回収までの間に周囲の中性原子と衝突することによって伝荷交換を生じ濃縮度の損失を生ずる。また、光電離において発生した電子との再結合を生ずる場合もある。これとは逆に回収時に加速された電子と衝突することにより非着目原子が電離することも考えられる。従って、回収条件ともいえる電子やイオンのエネルギーや密度、さらには電荷交換を測定することは効率の良い回収を行う上で非常に重要である。こうした観点よりLi同位体を用いて実験を進めた結果、電子温度と過剰エネルギーとの関係より、イオンエネルギーは低く、従って両極性拡散係数は余り高くないことが分った。また引き出し電圧が低い場合、Liイオンと中性原子との相対速度が小さいため電荷交換は生じ易くLiイオン濃度は低くなることが分った。
荒殿 保幸; 立川 圓造; 宮崎 哲郎*; 川合 行洋*; 笛木 賢二*
J.Phys.Chem., 86(2), p.248 - 251, 1982/00
neo-CH・i-CHD(2モル%)およびn-CD-nCH(10モル%)系での反跳トリチウム原子の水素引抜反応をESR、ラジオガスクロマトグラフを用いて20,77,195,300Kで調べた。それらの結果を-線による放射線分解で生じるH(D)原子の反応と比較検討した。77K以外ではH,D,T間の結果は一致するのに対し77Kでは、H,Dで見られるような溶質からの水素引抜反応がTの場合観察されない。これはT原子では生成初期の反跳エネルギーが非常に大きい(2.7MeV)ため減速過程でホット反応を起こしてしまうためかあるいはトラックに沿って生じる分解フラグメントとの反応性が高いためであることを示唆している。実験値より実際に77Kでトラックより拡散し反応できる割合は数%となる。